静岡大学 桑原研究室

電磁波の医療応用

概要

主に2つのテーマに分けて研究しております :

  • マイクロ波マンモグラフィの開発
  • 脳血管障害の初期診断

マイクロ波マンモグラフィの開発

乳がんは女性で最も多いがんです. また, 早期発見, 早期治療が重要となっております. 検診にはX線マンモグラフィが使用されていますが, 低コントラスト(見落としが40%), 挟み込みによる痛み, X線被曝(40歳以下の受胎可能女性には適用できない)等の問題があります. 本研究ではマイクロ波マンモグラフィによりこれらの問題を克服します.

MRI画像
マイクロ波マンモグラフィの利点
  • 高コントラスト
  • 組織の水分量に基づく電気定数の3次元分布を表示
  • 安全(照射電力は携帯電話の1/100以下
  • 挟み込みによる痛みなし
開発システムの特徴
吸引固定型撮像センサー
撮像ミスの防止 乳房形状の明確化(逆散乱問題の重要な予備知識)
試作撮像センサー
撮像センサー断面
多偏波の利用
  • 多様な観測データを得る(精度・分解能の向上)
  • センサの小型化(解析領域を小さくできるので計算時間が短縮)
電磁界解析シミュレータを順解析で使用
信頼性の向上
数値ファントムの開発
画像回復結果
画像回復結果

過去の研究

  • レーダ方式の開発(2012)
    • 吸引固定撮像センサーによる撮像ミス防止
    • 拡張MISTアルゴリズムによる高コントラスト
    試作装置(レーダ方式)
  • 臨床試験(2013)
    • 1cmの初期がんやDICSも検出可能
    • のう胞と見分けられない, がんの形が完全に再現できないのでトモグラフィ方式に移行
    レーダによる初期がんの検出

脳血管障害の初期診断

脳血管障害は要介護となる最も大きな原因となっています. 脳は最も酸素を必要とする組織で, 脳血管障害は発症後30分以内の処置が望まれます. この際, 出血性(脳内出血,くも膜下出血)か梗塞性かを判断して治療します. 出血性か梗塞性かを現地で見極め早期措置をとれば救命率,予後のQOLが向上します.

レーダーによる脳内出血の検出. 帯域 1~4GHz, 16素子Vivaldiアレー, Delay and Sumによるイメージング. (a) シミュレーションモデル (b) 脳内出血モデル (c) レーダーイメージング結果
マイクロ波トモグラフィによる頭蓋内組織構造の可視化(2次元モデル). 周波数2GHz, 鼻腔内にある空気の扱いが課題. (a) 誘電率分布 (b) 導電率分布

定在波レーダと独立成分分析によるバイタルモニタリング

心拍と呼吸を遠方から1台のレーダで監視します. 独立成分分析では観測パラメータの数だけセンサーが必要です. 時間区間をずらした応答を複数のデータとして扱います(特許出願中).

実験風景
実験結果. (a) フーリエ変換 心拍成分は抽出できない (b) 提案法 心拍成分も抽出可能